どうもこんにちは。キッチンカーサポート事業、カケハシフードトラック代表のゆきち(@yuki_one2)です。
最近ラジオで毎朝キッチンカーのニュースをお届けしていますので、そちらも聞いてみてください。

さて今回の記事では〈失敗しないキッチンカーの選び方〉というテーマで、車を購入する前に知っておくべきことを伝えます。
- キッチンカーを始めたいけど、どこで購入すればいいか分からない
- 車は高い買い物だから絶対に失敗したくない
- キッチンカー買うときにどこに注意するべきか教えて欲しい
こんなことを考えているなら必見中の必見です。
この記事の構成は
① キッチンカー購入時に気を付けるべき点を紹介します。
その次に
② 今まで購入時にあった揉めた事例を紹介します。
それを踏まえた上で
③ どうするべきかを具体的に示したいと思います。
記事を書き出す前に軽く自己紹介をします。
僕はカケハシフードトラックという名前で、簡単にいうとキッチンカーの方のサポート業務をやっています。
日頃からたくさんのキッチンカーの方に会い、話し、現場で意見を聞いたりしています。
常日頃からキッチンカーのことばかり考えているので、この記事はそれなりに信憑性を持ってくれて大丈夫です。
今回の記事を書くにあたっても、実際に製作工場を複数回って意見を聞き、陸運局や警察への取材を行なっています。
すべてをこの記事にまとめたいと思います。
この記事を読んで、失敗しないキッチンカー選びをして欲しいです!!
【必見】失敗しないキッチンカーの選び方と注意点
キッチンカーを買う前に知っておきたいこと
知識が無いと騙されるかも知れません。
これからキッチンカーを始めようと思っている方は、常に主導権を握っておきましょう。そのためには”知識”が必要です。
そのための情報をここで紹介していきます。
キッチンカーの値段の決まり方
車の値段は「仕入れ値+手数料(工賃含む)」で決まります。
車屋さんはこの手数料の部分で利益を出しています。
基本的な構図は”安く仕入れて高く売る“というシンプルなものです。
車の仕入れ場所として代表的な場所に、千葉県野田市の「USS東京」という場所があります。
ここは簡単にいうと、車のオークション会場です。
全国からバイヤーが集結し、1日で10,000台以上がオークションかけられ、10億円以上取引されています。
街の車屋さんはこういった場所から安く車を仕入れて、整備し手数料を上乗せして販売しています。これが一般的な車販売での利益の出し方です。
キッチンカー販売も基本的にはこれと同じです。
- 軽トラや軽バンなどをオークションで仕入れる
- 持ち帰って整備する
- キッチンカーに必要な作業スペースを作る
- 原価+工賃+手数料で値段を付けて販売
まずは値段の決まり方を押さえておきましょう。
キッチンカーの相場
では以上を踏まえてキッチンカーの相場を完全に主観でお伝えしましょう。
最初に伝えたいのは、キッチンカーの統一的な相場というはありません。
なぜなら、それぞれの会社の規模やサービスなどによって、取るべき手数料が全然違うからです。
極端に例えると
1人で車を作って、後の面倒は一切見ないというなら、利益は自分の分だけを考えれば大丈夫です。
逆に従業員がたくさんいて、クオリティが高く、アフターサービスも完璧なら、たくさん利益を取らないと会社が潰れます。
つまりはこういうことです。
最初は同じ値段の車を購入していたとしても、従業員の多さや、付く価値なんかで売値は大きな違いが生まれています。
一概に「あそこのキッチンカーは安いから良い」「あそこのキッチンカーは高いからダメ」と優劣を付けるのは、無理があるかなと感じます。
これを踏まえてキッチンカーの相場を主観で発表します。
〈軽バンタイプ〉
安値:100万円~120万円
高値:160~180万円
特に高いのはフロントマスク(顔)変更と、塗装になります。どっちもこだわらなければ100万円を切ることも珍しくないです。60万円くらいで始められた方もいます。
ちなみにオークションでの仕入れ値は20~30万円くらいが多いです。
〈軽トラタイプ〉
安値:140万円~180万円
高値:330~360万円
キッチンカーの中で最も定番の車です。
塗装なしで限りなくシンプルなキッチンカーであれば100万円台で購入している人がいますが、おしゃれでカッコいいタイプにすると、300万円は超える印象です。
また荷台のキッチンスペースのクオリティによっても値段差がかなりあります。軽トラ自体の仕入れ値は30~50万円くらいで、車自体はそんな高額ではありません。
〈1t以上トラックタイプ〉
安値:150万円~180万円
高値:360~400万円
キッチンカーの中では大型に分類されます。
これまで聞いた中では、安く作った人で150万円という方がいました。しかし通常の製作会社だと、シンプルに作っても330万円は超えてくるイメージです。
車体自体は50万円くらいで購入できるようですが、スペースが広いので工賃なども高くつくのでしょう。製作会社にとってみれば、一番売りたい車両だと思います。
キッチンカーを買うときに注意すること
次にキッチンカーを購入するときに押さえておきたいことを紹介します。
今でも悪質な会社があるそうなので、事前の知識はかなり重要です。相手に言いくるめられないように、自分で良し悪しを判断できるようになりましょう。
ここからは知っておくべき「キッチンカーの知識」を紹介していきます。
営業許可がおりる仕様か
キッチンカーを購入したものの、営業許可を取得できないような車では意味が無いですよね。
保健所の許可をよく分かっていない業者だと、こんなトラブルもあります。
キッチンカーを購入する前は近くの保健所に相談し、自分の目指すキッチンカーに必要な設備を確認しましょう。
すべて仕様を丸投げにするのではなく、自分から業者に指摘できるくらいには勉強するべきです。
また2021年6月から、営業許可の内容が大きく変わります。全国的に基準も統一されるみたいなので、今までの複雑さも無くなります。
こちらの記事が非常によくまとめてあるので、参考になると思います。

車検に通る車か
キッチンカー製作で一番よくあるトラブル事例です。
じつは車検証と実態が違っていて”違法車両”だった。
気付かないうちに、公道で走ってはいけない車を買わされていたという事例です。
そこまで悪質では無くとも、車検内容と実際のキッチンカーが違うということはよくある事例です。
必ずしも”悪いこと”とは言い切れないこともありますのが、車検証はよく確認しましょう。記載してあることが明らかにおかしい場合は、しっかり説明してもらうべきです。
作業することを想定しているか
キッチンカーで最も大事な場所は調理スペースです。ほとんどの時間を過ごすこの場所は、快適でなければなりません。
自動車販売が得意でも、キッチンカーのことはよく分かっていない業者もいます。実際に中に入ってみて提供までのオペレーションがスムーズにいくのかを確認しましょう。
どこに何を置くのかは事前にシュミレーションしておき、寸法などもすべて指示して製作することをお勧めします。
任意保険が高い
これは事前に伝えておきたいことですが、キッチンカーは乗用の車と違って任意保険がとても高額です。
車の用途が「営業用」になるので、年間で20万円くらいする保険もあります。用途を偽って保険を契約しても、バレて適用にならないので無意味です。やめましょう。
キッチンカーのナンバーの違い
ここでキッチンカーの車検について基礎的な知識を紹介します。
4ナンバーと8ナンバー
ナンバープレートの赤枠の部分の先頭の数字
これが何の数字かによって、車の種類が分類されています。
ちなみに写真の分類は”5ナンバー”で、乗員10人以下の小型乗用車という意味で使われます。
世の中のキッチンカーは大きく2種類のナンバーが散見されます。それが”4ナンバーと8ナンバー“です。
- 4ナンバー:貨物用途の小型自動車
- 8ナンバー:特殊用途自動車
本来ならキッチンカーは”8ナンバー”であるはずですが、”4ナンバー”も普及しているのが現状です。
それは4ナンバーだと軽自動車として登録できるからです。
軽トラックは2mを超えると、軽自動車として登録することができません。
8ナンバー(特殊用途自動車)として登録するということは、荷台の部分を含めて車検に通すということです。
荷台を含めて2m以内に収めようとすると、作業スペースの高さは135cmほどになります。小柄な女性でも立つことはできません。
なので特殊用途自動車として車検に通す時は、普通自動車として登録することになります。
荷台を積んでいない状態で車検を通し、その後に荷台を載せるということです。
つまり次回の車検を通すときは、また荷台を下ろした状態で確認を受けます。
後で書きますが、この手法は正直グレーゾーンとも言えます。完璧に違法とは言えないですが、決して望ましいことでもありません。
4ナンバー軽自動車のメリット
⑴税金が安い
〈自動車税比較〉
4ナンバー(軽貨物):毎年/5,000円
8ナンバー(1000cc以下):毎年/25,000円
⑵高速ETC料金が安い
軽自動車は、普通自動車に比べて道路環境に与える影響が少ないことから、1割~2割くらい料金が安く設定されています。
⑶構造変更の手間がかからない
8ナンバーに構造変更することは、販売会社からすると多少手間がかかるようです。面倒だからという理由で変更しない会社もあるようです。
主に維持費が安くなるという理由で”4ナンバーのキッチンカー”が普及しているのは事実でしょう。
4ナンバーのキッチンカーは違法車両??
先ほど説明したとおり、4ナンバーのキッチンカーとは「荷台を積んでいない状態で車検を通し、その後に荷台を載せる」ということです。
言い換えると、本来あるべき姿で車検を通さずに、車検を通すためだけに細工しているとも捉えられます。
ここからは陸運局や警察に取材してきた内容です。
結論「犯罪とは言えない」というのが僕の考えです。
「荷台を積んでいない状態で車検を通し、その後に荷台を載せる」ということ自体は認めているとの陸運局からの回答でした。
理由は「荷物」として扱えるからです。
単純に普通のトラックに積荷(キッチン)が乗っている状態と見れば、問題は無いとのことでした。
ただ荷物の場合には
「重量350kg」「高さ250cm」を超えてはいけません。
これを超えると過積載となり道路交通違反になります。
警察の方にも取材した結果は
『4ナンバーの車がキッチンを備え付けてても、過積載でなければ取締ることは無い』との回答でした。
「荷物として扱えるか」というがこの論点になるのですが、これが曖昧です。
キッチンカーは8ナンバーで取得するのが正解だけど、4ナンバーだからと言って必ずしも違法とはならないのが現状です。
これまでにあった揉めごと
ここからは、これまでに聞いた”キッチンカー購入時の揉めごと”を紹介します。
違法な改造車だった
車検証の内容とキッチンカーの構造が、まるっきり違うケースの紹介です。
これは軽バンのキッチンカーを、4ナンバーで取得したことにより違法車両となったトラブル。
4ナンバーの車検は座席が4つ必要です。
この会社は先に車検を取った状態で、後部の座席を潰しキッチンカー仕様に作り変えました。
車検上では乗車定員が4名と記載されていますが、実態は乗車定員が2名のキッチンカーです。
この状態だと車検と構造が異なるので、違法車両となる可能性が非常に高い仕様です。
違法車両が公道を走行した場合は、警察に検挙されるだけではなく、”保険が適用されない“というデメリットもあります。
つまり万が一、違法車両で事故を起こしてしまった場合は、全額自腹で補償をすることになります。絶対にやめましょう。
結局この方は車検の内容を指摘して、しっかり構造変更をしてもらったそうです。
雨漏りがする
雨漏りが一番耳にするキッチンカートラブルです。
天井のパッキンの甘さなどから、雨漏りするケースがよくあります。悪質な会社だと改修もしてくれないそうです。
天井の隙間の機密性はまっ先に確認した方がいいですね。
塗装のイメージが注文と違う
こだわりの色で注文したものの、出来上がったらイメージと違っていたケースです。
塗装は製作の中でも高額なオプションです。車の外装にこだわっている人にとっては、絶対に失敗できないところですよね。
話の食い違いなどから、このようなトラブルが生まれるようなので、こっちから積極的にイメージのすり合わせをすることが大事です。
塗装する前にサンプルなどを提示してもらうといいですね。
強度が弱い
風にあおられて屋根が破損した。
開き扉を支える柱が折れた。
など構造の弱さからくるトラブルも耳にします。
見ただけでは強度などは分からないですが、あまりにも格安すぎる会社は強度も疑った方がいいかも知れません。
購入する前に取るべき行動
では失敗しないキッチンカー購入のために取るべき行動を示します。
“安いほどいい”という気持ちを捨てる
小さく始めるためのキッチンカーなので、もちろん初期費用は抑えた方がいいに決まってます。
しかし「安い=お得」という考えは違うと思います。
冒頭での紹介のとおり、値段が高いのには何かしらの価値があるはずです。単純に車の値段だけで選ぶのではなく、どういう付加価値があるのかも注目しましょう。
過去の失敗事例などを見る
これまでキッチンカーをやってきた、先人たちの話を聞くことが大事です。現代はこのブログとかYouTubeとか、いろんな場所でキッチンカーの情報を拾うことができます。
どういうキッチンカーが良かったのか?
どういうキッチンカーで後悔したのか?
いろんな情報を最初は見ていきましょう。
実際にキッチンカーを体験してみる
これは半分宣伝でもあるのですが、非常に効果的だとも思うことです。
現役のキッチンカーに方に直接質問もできるし、どういうキッチンカーが自分に合ってるいか分かるかも知れません。
何より本番を経験するというのは一番の成長に繋がると思います。
ぜひキッチンカーのリアルを体験してみてください。

おすすめの製作会社
僕のおすすめは”BEE STAGE“さんです。
なぜなら実際に自分がキッチンカーを購入した会社で、アフターフォロー含めて満足した体験があるからです。
というかこの会社しか実態を知りません。
他はキッチンカーを購入してないので評価ができないです(^-^;
ここで買ってみて「良かった!!」と思っているので、僕はBEESTAGEさんを紹介しています。
ちなみに僕が買ったのはこちらの車
エブリイ/平成29年式/走行距離1,3000km
値段:180万円
正直、BEESTAGEさん決して安くは無いと思います。
もっと安く作れる会社も知っています。
ただ内装のクオリティは抜群だと思います。
いろんな工場見てきましたが、一番美しかったです。
BEESTAGEさんで見積もりを取りたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

キッチンカーDIYはどうなのか??
最近はキッチンカーを自作する人も出てきました。
めちゃくちゃ難しかったと思います。
冒頭で紹介したとおり、車自体はそんな高くないんです。高いのは改造費と手数料です。
それを全てカットできるので、DIYするのが間違いなく最安値でできる方法でしょう。
しかし僕の意見としては、やっぱり製作会社に任せた方がいいかなと思います。
ほんとプロは仕上がりが全然違います。何台もキッチンカーを作り上げて、あの技術が身に付いています。
製作過程を楽しみたいとか、相当腕に自信があるならトライしてみるもいいですが、「安く済ませたい」という理由だけだと返って損することも考えられます。
時間や労力を考えても、キッチンカー製作はプロに任せた方がいいです。
まとめ
ではいかがだったでしょうか?
“失敗しないキッチンカーの選び方”というテーマで記事を書いてきました。
最後に今回の内容をまとめます。
⑴キッチンカーを買う前に知っておきたいこと
- キッチンカーの値段は仕入れ値+工賃+手数料で決まる
- キッチンカーの値段はピンキリ
- 安ければお得とは一概には言えない
⑵キッチンカーを買うときに注意すること
- 営業許可が降りる仕様か
- 車検に通る車か
- オペレーションを考えている作りか
⑶キッチンカーのナンバーの違い
- 4ナンバー:軽自動車として登録できる
- 8ナンバー:特殊用途自動車として登録
- 軽トラの場合は軽自動車として登録するのはグレーゾーン
⑷購入する前に取るべき行動
- 安いほどいいという気持ちは捨てる
- 先人の失敗例を勉強する
- キッチンカーを体験してみる
この記事を書いた目的は、悪質な販売会社に騙される人をなくすためです。
キッチンカーは100万円以上が動く大きな買い物なので、後悔の無いようにしていただきたいなと思います。
カケハシフードトラックはイベントや出店場所の紹介などもしていますので、お気軽にお問い合わせください。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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